佐渡 裕×沢井一恵×坂本龍一「箏とオーケストラの響宴」
第84回
この4月9-11日に西宮の兵庫芸術文化センターで、4月13日に東京のオペラシティで、沢井一恵さんの箏、佐渡裕さんの指揮の兵庫芸術文化センター管弦楽団により、坂本龍一さんの新作箏協奏曲他の演奏会が開かれます。
箏(こと)とオーケストラの協奏曲とは珍しそうですし、実際に珍しいですが、結構たくさんあります。
協奏曲ということで言えば西洋楽器はピッコロであれチューバであれ、ほとんどの楽器に協奏曲があります。西洋以外の民族楽器もバンドネオンでも尺八でも三味線でも、これまた著名な楽器なら大体はあるといっていいでしょう。しかもギネスブック狙いとかの珍奇なものではなく、一流の作曲家のまともな作品が多いです。
これらが作られるきっかけは様々ですが、ガラコンサートとかジルベスターとかちょっと華やかな普段と違う会の時にやはりピアノ伴奏ではちょっと地味で予算が許せばオーケストラにはとにかく出てもらう、となります。そこで何かの記念の新作とかなるとピアソラの記念ならバンドネオン協奏曲とか。それから例えばフルート協会設立何周年でフルート協奏曲は山ほどあるから「今回はピッコロの協奏曲で」とか。
もちろんその民族楽器奏者が、ある作曲家に頼むのは一番多いでしょう。
ともかく何らかのキッカケで頼まれれば、頼まれた作曲家が優秀なら大体は何とかします。ピッコロ1本で葬送行進曲も書けるし、アナウンサーの読むニュース原稿で長編オペラでも作れるのが職人作曲家、といったところです。
と、いうことで意外に多い珍しい楽器の協奏曲ですが、今回は西宮のほうは兵庫芸術文化センター管弦楽団の定期演奏会です。ここはお客様が多くて日本のオーケストラとしては珍しく三日間の定期公演があるのですが、その三日とも箏協奏曲が2曲(坂本以外にソフィア・グバイドゥーリナ作品)入っているのは前代未聞ではないでしょうか。
坂本龍一さんでいえば、常に話題作を提供している作曲家ですが、作品的な管弦楽曲はわりと珍しいものです。
この2曲に組み合わされるのはプロコフィエフのバレー組曲「ロミオとジュリエット」。この曲は本当に人気がありますね。
委嘱新作初演が含まれるプログラムですと、その曲の演奏時間は本当のところは曲が出来るまでわかりません。トータルの時間を常識的なところに収めようとすると、他の曲で調整しなくてはいけません。そういうときに、こういう組曲はなかなか便利です。交響曲で1つの楽章をカットというわけにはなかなかいきませんが、この手の組曲はそもそも作曲家が作っていなくて後から組み合わされたりしているものすらあるわけで、伸ばした縮めたり多少の融通はききます。ストラヴィンスキーの「火の鳥」のように作曲家自身ですごい数のバージョンを作っている場合もあります。
作品も何が幸いして演奏機会が増えるか分かりません。
以下、当事者のお言葉とコンサート情報です。(平井洋)
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箏か、、困った。
ぼくは邦楽を全然知らないし、楽器の知識もない。
それに昔、邦楽器を使って音楽を書いた武満さんに対して、
アンチのビラをまきにいったこともある。
もっともそれが縁で武満さんとはその後も
何度かお会いする機会ができたんだけど。
しかし、邦楽あるいは邦楽器との何らかの取り組みは、
日本生まれの作曲家ならば、人生のどこかで必ず
出会わなくてはならないイニシエーション(成人儀礼)
のようなものだろう。いつかは、真剣に向き合わなければ
ならない時がくる。で、ぼくにもその時が来たってわけ。
ぼくを男にしてくれた沢井一恵さんに感謝しなければ。
さて、どんな曲を作ったらいいんだろう。半年、考えて
ようやく見えてきた。あとは聴いてのお楽しみ。
坂本龍一
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人の世界が始まって最初に木の片割れに絃を張り、弾いてみたのは一体誰だろう?“北京原人にちがいない”と一人合点する。樹々を縫う風のうねりの他何もない静寂の中に響いた箏の源流の音とはどんな音だったろうか。
坂本龍一さんのピアノソロコンサート。真暗闇の空間に、発光する音を聴いた、視た。太古のしじまに灯る発光した音!
どうしても箏に関わってほしい、と切に希った事が現実に。
教授の鋭き眼光、巨人・佐渡裕さんを前に・・・。今、恐れおののく私です。
沢井一恵
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[出演]
指揮:佐渡 裕
箏:沢井一恵
兵庫芸術文化センター管弦楽団
<曲順は兵庫と東京で異なります>
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兵庫芸術文化センター管弦楽団 第33回定期演奏会
[曲目]
坂本龍一:箏とオーケストラのための協奏曲[初演]
グバイドゥーリナ:樹影にて
~ アジアの箏とオーケストラのための(1998)
プロコフィエフ:バレエ組曲《ロメオとジュリエット》より
2010年 4月 9日(金)15:00 ・ 10日(土)15:00 ・ 11日(日)15:00
兵庫県立芸術文化センター KOBELCO大ホール
A 4,000円/B 3,000円/C 2,000円/D 1,000円 (全席指定/税込)
お問合せ先・チケットご予約 : 芸術文化センターチケットオフィス : TEL 0798-68-0255
http://hpac-orc.jp/concert/20100409.php
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2010年4月13日[火]19:00 東京オペラシティコンサートホール
佐渡 裕×沢井一恵×坂本龍一
「箏とオーケストラの響宴」
[曲目]
グバイドゥーリナ:樹影にて
~ アジアの箏とオーケストラのための(1998)
プロコフィエフ:バレエ組曲《ロメオとジュリエット》より
坂本龍一:箏とオーケストラのための協奏曲[初演]
S席 ¥5,000:
A席 ¥4,000:
B席 ¥3,000:
お問合せ先・チケットご予約 :東京オペラシティチケットセンター TEL03-5353-9999
http://www.operacity.jp/concert/2010/100413/index.php




