特集Scene

突然出てきたNexus5

第266回

2013年11月6日

クラシック界ではよく「私はアナログ派でね」という言葉を聞きます。チケットもeプラスなどのオンラインサービスでとるのは苦手で、ホールの窓口まで買いに行くとか。

仕事上でも「大事なことを口説く時はやはり面と向かって」「デジタル断食してネットから切り離す時間でリフレッシュした」などなど。

ところが実際に電車に乗ってみたらどうでしょう。一列座っている方のほとんどはスマホをいじっておられます。たまにスマホじゃない場合は、iPad miniなどのタブレット端末、読書用のキンドルとか。

そんなにアンチデジタル派がいらっしゃるなら、本、雑誌、新聞などばらけていて、「若者を中心にスマホ」というなら分かります。そうではなくて数年前まで明らかにスポーツ新聞を読んでいたと思われるオジサンですら、手つきは慣れなくてもスマホでフリック入力らしきことをやっていたりします。

立っている方でも片手でつり革を持ち、片手でスラスラとスマホ操作。自転車に乗っていてさえやるのですから、こんなことはへとも思わないでしょう。

電車のような、全く多種多様な一般人が乗っているところがこれですから、個的な好みやご主張はどうであれ、もう大勢は動かないようです。一時の流行とは思えません。雑誌で長い連載小説を読むとかは、もう本当にニッチな特殊な行為になってしまいました。

その中の何割かはイヤホンを耳に挿し何かを聞いておられます。英会話やラジオという方もいらっしゃるでしょうが、多くは音楽でしょう。自宅のオーディオセットの前で鑑賞するのではなく、クラシックの大作でもこうやって聞くことがメインになってきました。

ダウンロード以外でもクラウド上のストックから自由に取り出せるサービスも根付いてきてナクソス・ミュージック・ライブラリーなど、いつの間にか多くのメジャーレーベルまで聴けるようになりました。

雑誌も売れないでしょうが、CDも売れないはずですね。iTunesに移す素材や、コンサート会場でサインを貰うためのグッズと言っても数は知れているでしょう。

この11月1日にGoogleからNexus5が突然発売されました。iPhoneと違って鉦や太鼓の事前宣伝がなされるのではなく、藪から棒に発売され、一部ではフライングの話も飛び交っていましたが、ともかく「iPhoneのグーグル版」的な5インチスマホが出たわけです。

iPadに対応するNexus7が好評で、スマホサイズもこれまでもありましたが、いよいよ本腰を入れたものが出てきたようです。シムフリーでどこのシムも使えますから、b-mobileの通話付きの安いデータカードなども使用可能です。これだとスマホが月々3000円くらいで使えます。もちろん海外でのシムも。

そんなにマニアックなことはしなくて普通には?という方にはイーモバイルから月に4-5千円で電話もネットも使える、という形で同じ機種がもうすぐ発売されます。

単にスマホの1新機種ということではありますが、G mailやGカレンダーなどGoogle系のサービスを中心にしておられた方には本命的存在となりそうです。

スマホに合わせた記事の長さ、デザインなどが考慮されるなど、届けられるニュースサービスも変わってきましたが、音楽そのものも提供方法、宣伝方法、決済方法も大きく変わってきています。

振り回されて、しょっちゅう買い換えるのは愚の骨頂でしょうが、背を向けても世捨て人になるだけで、現役でいる間は、自分なりに使ってみて理解を深めるしかしょうがないでしょうね。(平井洋)